日本で「愛人」と言えば、結婚している者がよそにつくった「愛人」という意味です。
法的に認められていない存在、悪い言い方をすれば「日陰者」を指します。
私は学生時代、中国語を学んでいたのですが、
中国語で「愛人」とは、配偶者を指すのです。
初めてこれを知った時にはとても驚いたものです。
愛する人、愛を誓った人。
それはただ一人だからこそ「配偶者」を意味する。
とても綺麗な言葉であり、素敵な意味だと思いませんか?
何故、「愛人」という表現が使われるようになったかですが、
それまでは「目掛け(めかけ)」という表現が一般的であり、
(若い人は知らないかもしれませんね。「おめかけさん」という言葉が確かにありました。)
これがあまりにも直接的で生々しい表現であったことから、
「愛人」に変わっていったと聞いたことがあります。
私は、日本で使われる「愛人」という言葉に酷く苦しめられました。
愛する人が「愛人」なら、妻(夫)は?
愛のない、共同生活者を指すのだろうか?
でも、結婚(入籍)に際しては愛を誓ったはずなのに・・・と。
「アイレン」と発音する中国語の「愛人」には、
法的にも世間にも、
自分の愛する人から愛されている人として認められている、
そんな誇らしさのようなものを感じ、
私にとって、とても憧れのある言葉です。
一方で「アイジン」と発音する日本語の「愛人」には、
盗人とか、世間知らずとか、こちらの精神状態によっては犯罪者くらいに感じてしまう、
私にとって、とても卑しい言葉です。
同じ「愛人」でも、この差はいったい何なのでしょうか?
残念ながら、ここは日本であり、私は日本人。
旦那に至っては中国語など知らない人ですから、
憧れの「愛人」という言葉は使われないままですが、
いつか、中国語圏の方と話をする時に、
「彼是我的愛人(彼は私の夫(配偶者)です)」と言って、
旦那を紹介するこの言葉を使いたいと夢見ています。
真実の「愛人」は、間違いなく妻であり夫を指すのだと、
今でも信じていますし、
可能であれば、日本でも「愛人」は配偶者を指すようになって欲しいものです。